第12話 バブルの恩恵

順番は前後しますが、今回は私がバレエを始めたきっかけです。

大学を卒業して就職したのは、銀座に本社のある製紙会社でした。この会社は、紙おむつやティッシュペーパーだけでなく、アイスホッケーが強いことでも有名でした。
そして、その応援団を担っていたのは若手正社員だったのです。入社一年目の女子社員には、なんと業務時間内に、チアリーダーという任務も課せられます。応援団として出張したこともありました。ボーナスも出ました。悪くない仕事でしょ!?

試合のある日は、リンクサイドでポンポンをもって「レッツゴー、○○!」と叫ぶほか、ピリオドの間には短いダンスを踊ります。

これが、とにかく、めちゃ楽しかった!
スケートリンクにもよりますが、お立ち台があるところもありました。ここで踊ると気持ちがよかった! ディスコのお立ち台なんかより、うんと高いところにありました。

でも夢は長続きしません。チアリーダーの任務は1年間。1年を過ぎるとどんなに希望しても普通のOLに戻らなくてはなりません。定年までチアリーダーをやっていられたら天国なのに…。

まさに、12時を過ぎたシンデレラの気分です。
シンデレラは、王子様がガラスの靴を持って迎えに来てくれます。それなら、自分でガラスの靴を持って探しに行こう―と、巡り合った王子様は・・・?!

次回に続きます。