第116話 マスクの効用

日傘、羽織るもの、飲み物のボトル…、夏になると何かと荷物が多くなる私ですが、今年はちょっと身軽です。

というのは、羽織るものを絶対に持って行かなければならなくなくなったからです。

 

一つには、換気のためあちこちの窓がちょっとずつ開いているから。

そして、マスクのおかげです。

 

今までは、どこへ行くにも羽織るものは手放せませんでした。場所によっては冬用のストールやダウンベストも追加することもありました。

スタジオも、エアコンの風が当たることもあるので、ホカロンを常にバッグに入れていました。

でも、今年はそれらがいらないのです。

 

最近はエアコンの設定温度の低いクラスほど心地よく感じるようになってきました。22℃大歓迎です❣️ 

 

前にも書いた通り、マスクをすると暖かい空気が鼻から入ってくるので、身体が冷えないのです。

それだけでなく、暑ければ鼻をマスクからのぞかせ、寒かったらすっぽり包み…微調節までできちゃいます。

 

平成初期、真冬のロシアに旅行したことがあります。

クリスマスシーズンのロシアではバレエやオペラが連日催され、それを目当てとしたツアーでした。さらに舞台リハーサルやレッスンもついていました。ツアーには、ちょっと名の知れたダンサーやダンサーの卵たちもいて、当時珍しかったロシア体験も満載で思い出に残る旅行でした。

 

ツアーで知り合った人の中には、その後会社を辞めて、ロシア語の学校に入った人もいます。

日本に帰ってきてもクマの毛皮の帽子を被り続けていた人もいるそうです。

程度の差はあれ、皆 “ロシアかぶれ” になってしまったのです。

私はロシア料理の看板を見ると入らずにいられないですし、ロシア音楽やロシアの民族舞踊も大好きです。

 

さて、氷点下40℃にもなる極寒の地への旅ともあり、私は布団をそのまま服に仕立てたような厚手のダウンコートを着て行ったのですが、集合場所に現れた友人を見てびっくり。

ごく普通のオーバーコートを着ていたのです。

 

案の定、現地で「寒い、寒い」を連発していた彼女でしたが、「そうだ、マスクしよう」と言ってマスクをはめました。まだ四角いガーゼマスクしかなかった時代です。私も荷物に入れてあったので、してみたところ、暖かいのです。

 

ロシアといえど毎日マイナス40℃になるわけではないのですが、たまたまなった日に “トロイカ体験” がありました。一番寒そうなイベントです。でも二人でマスクをしてホカロンを抱えて雪の中を走り抜けました。その後飲んだ、ロシア紅茶の美味しかったこと!

 

マスクをすることで、普通のコートを着ていてもロシアの冬に耐えられるのです。

(見方を変えれば、夏でもダウンコートを着ているようなものなのです。)

 

私は花粉症で、春になるとマスクはマストアイテムなのですが、今まではガーゼマスクと不織布のものしかなく、エコな私としてはオシャレな布マスクが欲しいなぁと思っていました。

去年、ベトナムに行ったとき、可愛い布マスクを見つけて買ってきたのですが、日本では恥ずかしくて、するのを躊躇っていました。

 

でも、今回のパンデミックで、これからは違和感なく使えます。

来年から、花粉の季節がちょっとだけ楽しくなる予感がします。

 

化粧品を忘れたときも、テレビカメラを向けられたときも、とりあえずマスク!

いつもバッグに布マスクを❣️