第125話 王子様、日本にも kissを!

ご縁あって、この週末は久しぶりにグランド・バレエを観てまいりました❣️

Mバレエ団の「眠れる森の美女」です。

 

私がお世話になった、ルシーニュ先生もヴィオレット先生もMバレエ団のソリストだったので、私もバレエを始めた頃はMバレエ団の公演しか観ていないほどでした。

チャイコフスキー三大バレエに始まり、「ジゼル」「ドン・キホーテ」「リーズの結婚」、その他Mバレエ団オリジナルの作品等々…。私のバレエ鑑賞眼はMバレエ団作品を標準に作られたと言っても過言ではないほどです。

 

しばらく(全然というわけではないですが)観ていないうちに、振付、演出などが改定されたものもありますが、久しぶりにMバレエ団のバレエを観ると、実家に帰って来たような気分です。

 

「眠れる森の美女」では、カラボスの魔法によってお城は眠りにつき、王子のkissによって目覚めます。

ウイルスのせいで街が眠ってしまった、ちょっと前の日本の様子がオーバーラップしました。日本だけでなく世界は今、魔法使いによってもたらされたようなウイルスの悪夢から目覚めようと、必死になっています。

そんな日本を元気づけるのにふさわしい演目だという気がしました。

 

豪華な衣装や舞台に、洗練された踊りの連続。立体感のある音楽。

やっぱりナマ舞台はいいですね。家に帰ってからも、ベッドに入ってからも、余韻に浸ることができます。

帰りの電車の中では、一緒に観た人たちと思わず盛り上がってしまいました。周りの人たちの冷ややかな視線を浴びていたかもしれません m(_ _)m

 

イベントの規制は解除されつつあるようですが、今回の座席は一つおき。

関係者の方々には申し訳ないですが、周りに人がいないのでいつもよりリラックスして観ることができました。

 

ダンサーの方々、関係者の方々、いつもの何十倍、何千倍も気を使われたことでしょう。そして、終わってもすぐにはホッとできないことでしょう。

 

頭を悩まされたのは、狭いスペースで長時間密にならざるを得ない、オーケストラの方々も同じでしょう。

オケボックスを広げるわけにもいかず、演奏者の数を減らしてしまうと音楽の質に関わります。

楽団員さんたちはオケボックスの中でもできる限り距離をとられていて、管楽器以外の方はマスクをして演奏されていました。パーカッションなど数名の方は楽器とともにボックスの外へ。

 

録音という選択肢もひょっとしたら考えられたかもしれませんが、生オーケストラと録音では伝わってくるものが全く違います。ご苦労に感謝せずにいられません。

 

贈り物、花束は禁止でしたが、拍手は心を込めて、惜しみなく贈らせていただきました。

舞台の上から客席を眺めた風景は、マスクのついた顔がポコポコ…と並んでいるようで、ダンサーの方々には寂しく思われたかもしれません。

でも、これで大丈夫だったなら、次回の「くるみ割り人形」は、たくさんの子供たちに観てもらうこともできるでしょう。

 

是非そうなりますように。

そして、他の舞台も続きますように。

f:id:auntmee:20201005234627j:plain

ロビーに飾ってあった、今回の公演の衣装でした。