第41話 「寅さん」でバレエを

最近は初級クラスにもピアノ伴奏つきのクラスが少なからずあります。
これって凄くぜいたくなことです。

すご腕の「お抱えシェフ」がいつも先生の脇にひかえていて、先生の編み出したアンシェヌマンにぴったりのお料理(曲)を、絶妙の味付け(曲想)、盛り付け(テンポ)で、しかも即座に出してくれる、そのご相伴にあずかっているようなものなのです。
ワンレッスンでいただける「ごちそう」は30種をくだりません。味付け抜群、栄養満点で、なんか上手になった気がする―こともあります。
ただしメニューは洋モノに限るようです。というのは…

昔々、ピアノ伴奏付きの某スタジオのお話です。ある日、男性のピアニストさんが、テレビ番組「笑点」の主題歌を弾いてくれたことがありました。
♪テン テケ ステテテ スッ テン テン♪

友人のサンタちゃんは大喜び。先生の表情は…、凍りついていました。

テンポだけなら、「男はつらいよ」のテーマソングはバーのフォンジュにぴったりです。「炭坑節」でタンジュをやってもよさそうです。「徹子の部屋」のテーマソング(る~るる るるる る~るる♪)でピルエットをやったら優雅に回れそう!? わたし的には、グランバットマンに「鉄腕アトム」や「ウルトラセブン」をリクエストしてみたい気もします。でも、バレエは音のイメージを身体で表す「芸術」なので、単にテンポが合えばいいわけではないのでしょう。

男はつらいよ」の曲で、寅さんを知らない先生にアンシェヌマンを組んでもらったら、どんな踊りができるのでしょう? (実験しなくてもいいですよ。)

笑点」のインパクトが強すぎて他を忘れてしまったのですが、あのピアニストさんは、ドラマの主題歌など、様々な曲を演奏してくれた記憶があります(先生方の評判は不明です)。今もどこかのスタジオで、「カーモン・ベイビー・アメリカ♪」とか、弾いているのでしょうか?

f:id:auntmee:20190216151654j:plain

週末、河津桜を見に行ってきました。薄紅色の桜は1か月ほど楽しめるそうです。(第27話参照)