第42話 新曲にワクワク

私は歌謡曲で育った世代で、「ザ・ベストテン」や「トップテン」で新曲が発表されるときはワクワクでした。
いつの時代も、いかなる場合も、新しい曲は私たちの心をときめかせてくれます。
バレエのレッスン用に新曲が作られるということは滅多になく、殆どがアレンジですが、新しいアレンジが組み合わされた新しいCDは心も踊らせてくれます。
スタジオで新しいCDがかかると、1曲目のストレッチでも跳び上がりたくなります。

新しいCDの日は、アンシェヌマンも新鮮に感じます。実際に新鮮だったりします。
先週のCDだったらこのアンシェヌマンはナシかも―と思ったりもします。
…と言っても、私の記憶力も落ちているので、新曲だ!―と興奮しているのは私だけだったりして―。

バレエショップにはレッスン用CDがずらりと並んでいます。ネット通販でも売られています。
こんなに多くの中から選ばれる今日の1枚。先生の個性が表れる―と思いきや、ノラ猫をやっていると(第38話参照)、どのスタジオのどのクラスからも聞き覚えのある音楽が流れてきたりします。
ちょっと残念。確かに使いやすいCDは少ないのかもしれませんが、個性あふれる素敵な音楽が聞こえてきたら、「来週はあっちのクラスに出てみようかな」と思うノラ猫がいるかもしれないのに(!?)

AEDダンススタジオでシャワーを浴びていたら、すっごくクールなレッスン音楽が聞こえてきたことがあります。リン・スタンフォードとは違うけれど、リン・スタンフォードを彷彿とさせる、ジャズテイストのパッションあふれる音楽♪
シャワーの向こう側にある第3スタジオで、NYから訪日中のリシェル先生がバレエのレッスンをしていたのです。おそらく音楽もNY直輸入。シャワーから飛び出してスタジオに直行したくなってしまいました。

懐かしい曲には人を過去に誘う力が、新しい曲には人を元気にするパワーが潜んでいる気がします。