第113話 ウイルスは可愛くないですが

私は小さな生き物が好きで、ハツカネズミにセキセイインコ、金魚、ドジョウ、カニ、カタツムリ、鈴虫…いろいろな動物を飼ったことがあります。

一番小さな生き物は、グラム陰性桿菌のS菌(仮名:さすがに実名は…🤭)でした。

職場で飼っていたのですが、帰り際にシャーレに植えておくと、夜中のうちに橋渡りをするのです。そしてこれが何とも可愛いのです。

 

細菌の名誉のために言っておきますが、ウイルスと細菌は全く違います。ウイルスは生きていないのでペットには不向きですし、あまり可愛いとも思えません。でも検出方法などに共通するものが多いので「微生物」として一括りにされるのです。

細菌がミミズならウイルスはカイチュウ…あまり美しい例えではないですが、そんなところです。

 

さておき、私にとって多少馴染みのあるウイルスの対策について、ここから真面目に書いてみます。

 

主なバレエスタジオのHPをざっと拝見し、通っている人から聞いたところでは、どこのスタジオも対策バッチリ。バレエスタジオでクラスターが発生したという情報も、今のところ公開されていません(*注)。おそらくどのスタジオにも感染者はいるのかもしれませんが、対策のおかげで(大量に)うつっていないのだと思います。

 

でもスタジオがあまりにもよくやってくれると、ついつい脇が甘くなってしまいます。自分でも積極的に対策しましょう。

 

例えば、どこでもバーの消毒は当たり前のようにやってくれます。でもレッスン中触るのはバーだけとは限りません。バーレッスンが終わったとき、お水を飲むときなど、一人一人が小まめに手を消毒するほうが有効な気がします。

 

また、床の上にゴロゴロ転がってストレッチをしたり、バレエシューズを撫で回したり、トゥシューズの匂いを嗅いだりするのは、今は控えましょう。床にじかにタオルを置いたり、床に落ちたペットボトルのキャップをまた嵌めるのも避けましょう。

 

現在、このウイルスに対して有効とされている対策は「3密を避けること」「マスクをすること」「手を洗うこと」です。

 

でも、それ以外はどうしたらいいか分からなかったり、自分のとっている対策が大丈夫なのか自信がないと外に出るのも怖くなってしまいますね。だからと言って皆が楽しく踊っているのに自分だけ隠遁生活を送るのも寂しすぎます。運動不足になってLDL値も上がっちゃいます。

そこで一つ、提案を。

 

「自分がウイルスを持っている」と考えると、自分のとるべき行動がわかります。

 

自分は感染していないのに周りの誰かが感染していると考えてしまうと、怖くなって、どうしていいか分からなくなってしまうものです。

 

でも「自分が感染している」と仮定することで冷静になることができ、スタジオで、電車内で、職場で、友人と会話するとき、そして家に帰ってきたとき、周りの人にうつさないためにはどのように振る舞えばいいかが自ずと分かってくるのです。

 

実際、このウイルスは感染しても症状が出ないことが多いので、この仮定は決して非現実的なものではありません。

そして、その仮定のもとにとった行動が、結果的に自分をウイルスから守ることになるのです。

 

「自分が感染している」意識を持つことは、実は私が考えたのではなくて、このような感染症の対策の基本と言われています。

(本当に感染しているかも…と思うときは発熱外来へ❗️)

 

早くマスクがいらなくなって、マスク後に知り合った先生や仲間たち(第112話)とフルフェイスの笑顔で踊れるようになるためにも、一人一人が常にこのような意識をもって行動することが大切なのです。

 

 

(*注)バレエスタジオとしてはないですが、フィットネスなどに含まれている可能性もあり、感染経路不明に入っている可能性もあるので、ゼロとはいえないのです。