第10話 舞台は女盛り

この前の三連休は、バレエ親友のミームンちゃんの発表会を見に行ってきました。
6、700人入りそうな客席は、ほぼ満員。舞台も客席もエネルギーむんむん。
ミームンちゃん、最高の笑顔でした。ニオちゃんも踊ってました!

バレエをやったら一度は出てみたい、発表会。
私がバレエを始めた頃は、発表会に出たいという大人は、よほど自信があるか、強引か(笑)。
現在、大人中心の発表会は女盛り、花盛り。"普通の" 大人が出ています。
スタジオ・パフォーマンスというのもさかんで、ハードルはどんどん低くなっています。

「衣装を着て立っているだけでいいから」、「一度でいいの、一度で」と申し込み、
リハーサルの厳しさに「もう、これで十分。これが終わったらやめるわ」と一時はネをあげ、
でも、当日、お姫様のような衣装を身にまとい、きれいにお化粧をしてもらった自分を鏡で見て、「悪くないわね」とうっとり。
スポットライトのあたる舞台から観客を見下ろすなんて、日常生活では絶対あり得ない状況にハマってしまい、
「ブルーバードの衣装、着てみたい」「パドカトルも素敵よね」などと、出番が終わるとともに、もう次回への欲望がむくむく。
そうやって、一度が二度になり、三度になり・・・。
舞台は麻薬です。
「やーめた」と思っていても、何かをきっかけに再燃する、なんてことも・・・!?

私がアラサーで発表会に出たとき、母が観に来てくれました。前回書いた、強引にトゥシューズを履いた発表会から何年か経ってからの話です。
ところが、母は、劇場で、学生時代の同級生にばったり会ってしまって、訊かれたそうです。
「あら、あなたもお孫さんを観に来たの?」
昭和な母はアラサーの娘を観に来たと言いだせず(かと言って、ウチも孫が出るのとシャアシャアと嘘をつける母でもなく)、困惑するばかりだったようです。

今の発表会でそんなことを言う人はいません。
お孫ちゃんが客席で、拍手を送っていたりします。