第26話 アンデオール? アンデダン?

大人になってからバレエを始めるのって断然不利―と思い込んでいませんか?
確かに、そういうことも多いです。でも、そうとは限らないこともあります。

大人と言っても20代から80代まで様々な人がいます。バックグラウンドも様々です。
でも、概して大人は、子供よりずっとたくさんボキャブラリーをもっています。想像力も豊かです。言葉を使って覚えることができます。
だから、身体感覚を適切に伝えてくれる、表現力の豊かな先生に出会うことができれば、ひょっとしたら子供より「のびしろ」が大きいのでは―と私は思います。

それでも、どうしても言葉に頼ることができない部分もある。誰もが身体で覚えなければならないものもあります。それがアンデオールとアンデダン。

あれって苦労しませんでした?
まず、ピルエット。回る方向が2種類あるのにさえ、私はしばらく気がつきませんでした。みんな、あっという間に回ってしまって、どうなっているのか、ちんぷんかんぷん。その2種類それぞれに意味不明の名前が付いているのにも驚きましたが、アンデオール=「外回り」と言われても、理屈を説明されても、何が外で何が内なのか、理解できるものでもありません。

それから、ロン・ドゥ・ジャンブ・アテール/アンレール(バーでやるもの)。
床に半円を描くアテールはまだしも、アンレールの、パッセの足先を回すほう。あれは言葉で説明してもらうと却って混乱したりします。無条件に真似して、ひたすら練習するしかないようです。