第134話 永遠の白鳥🦢

最近では、大人ダンサーにも、舞台で踊る機会はたくさんあります。

 

長い間レッスンを受けてきた私ですが、その割に舞台には出ていません。

 

舞台で踊るのは嫌いではありません。でも、私の数少ない舞台経験が素晴らし過ぎて記憶を上書きしたくない…と言った感じです。

 

青山ヘルシィスタジオでルシーニュ先生のレッスンを受けていたとき、私はTバレエ学校の公演に出させていただきました。将来のバレリーナたちの格調高い舞台です。

 

シーニュ先生のリハーサルは厳しいものでした。リハーサルだけでなく、日々のレッスンでも姿勢や動きを細かく直されました。レッスン後、先生のおっしゃったことをその日のうちに覚えて帰るため、ベルコモの閉館時間までさらったものでした。先生が風邪で熱がある時でも、先生はレッスンを休まれませんでした(今だったらとんでもないことですね(笑))。

 

本当に充実した日々で、今でも懐かしく思い出されます。

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私の宝物

おかげで公演後、自分の踊りが変わったのを実感することができました。

他の先生にもそう言われたので、思い上がりではないと信じています。

 

最近、「あきらめない」という言葉があちこちで聞かれますが、当時のルシーニュ先生こそ、「あきらめない」方でした。本当に、ありがとうございました。

 

可愛いチュチュを着て、メイクをして、舞台に上がるだけで満足…という方もいます。

でも私は、あまりそのようなことに興味がありません。

舞台の後、自分の感覚がどのくらい変わったか…私にとって大切なのはそういうことなのです。

 

おそらく私は、世界で一番しあわせな大人ダンサーだと思うのですが、その反面、気軽に舞台に上がることができなくなってしまいました。

 

ともあれ、こんな私に根気よくバレエの真髄を叩き込んでくださった、ルシーニュ先生には感謝してもしきれません。おかげさまでこんな年寄りになるまで踊れています(笑)

 

いつまでも私の白鳥でおられますよう。