第61話 好きこそ物の上手なれ(2)

昔、時々ランチを一緒にした人と、「何か運動してる?」という話題になったことがありました。

私はダンスをしていると言いましたが、彼女は何もしていない様子でした。

 

次に会ったとき、彼女はゴルフを始めたと言いました。

なんでも若い頃、仕事のお付き合いでゴルフをすることになり、ゴルフセットを持っているし…でも本当は好きじゃないのだけど…ということでした。

なんで好きでもないものをわざわざやるのか、私は理解に苦しみました。今も苦しんでます。

 

(1)彼女の「好きじゃない」は私の「好き」と同程度である。

(2)第61話に書いたように、彼女は「好き」じゃないけれど「上手」である。

(3)ゴルフセットがものすごく高いものだった、あるいはセレブなスポーツを始めたことを、実は私に自慢したかった。

(4)ゴルフの影に男あり。

 

以上が私の考えたところです。

なんとなく(3)が正解かも…という気がします。

自慢に気付けなくて、ごめんなさい m(_ _)m

 

国家を挙げて若きアスリートの遺伝子検査を行ない、一番適するスポーツ種目に選手を割り当ててオリンピックのメダル獲得を目指す国もあると聞いたこともあります。そういう国ではメダルを取ることが何よりの栄誉なので、アスリートのほうも好きではない種目でもやろうという気になるのでしょう。

 

でもオリンピックが視野にない方は、やりたいことをやるべきです。

 

私が子供の頃だったら、お母さん世代の運動といったら「美容体操」か「ラヂオ体操」程度の選択肢しかありませんでした。私がバレエを始めた頃も、30代以上の方は社交ダンスか太極拳かヨガを選んでいました。

ここ2、30年の間に、趣味の選択肢は限りなく増えています。

運動やダンスだけではありません。世界中の民族楽器とか、世界中の希少言語とか、占いとか、ありとあらゆるものを習うことができます。

首都圏から離れていても選択肢はありますし、地方の方のほうが長距離バスなどを駆使してマメにお稽古事に通ってくるようにも思えます。

 

カルチャースクールのパンフレットをめくりながらできそうなことばかり探すより、周りに無謀と言われたとしても、やりたいことを一つでも見つけてやったほうが、時間の価値が高まりそうな気がするのは私だけでしょうか?