第63話 ラップ・ダイエット

私がバレエを始めた頃、ダイエット目的にバレエをやる人もたくさんいました。

バレエをやっているうちに、ダイエットを始める人もいました。

 

当時は、サウナも一つのダイエット方法と考えられていました。スポーツクラブには必ずと言っていいくらいにサウナがあり、青山ヘルシィスタジオにも清潔なサウナルームがありました。

サウナスーツを着てレッスンをする人もいました。

薄手素材のものもありましたが、厚手のビニール製の方が効果がありそうということで、その上下を着ている人もいました。

 

さらに気合を入れた人となると、自分の腕や足に調理用のラップ・フィルムを巻くのです。

関節は避けて(動かせなくなりますからね)、胴体、上腕、下腕、上肢、下肢…ラップを2~3重に巻いて、その上にレオタードやタイツを着け、さらにサウナスーツを着ると、レッスン後には汗びっしょりになります。ラップと肌の間にタオルを巻いている人もいました。

 

効果?

聞いたことはないですが、ないと思いますよ。

体重が減ったとしても、その後水を飲めば戻ってしまうでしょう。

でも皆さん、一生懸命巻いてました。最近はラップ巻きは見かけなくなりましたが、ホットヨガとか、ホットバレエとか、部屋ごと温めるものが登場しています。これらが狙っているのは痩身効果だけではないようですが、汗をかこうという目的は共通しています。

 

なぜ汗をかくと痩せる “と思う” のでしょう?

夏になると痩せるから?

でもそれは、汗をかくからではなく、食欲が落ちるからでしょう。

デトックス

健康体であれば、身体に不要なものは尿から出ます。

代謝が上がるから?

代謝は寒い方が高くなります。

寒くなるとお腹がすく、または脂っこいものが食べたくなるのは、代謝を上げ、同時に体脂肪を増やす必要があるからです。

夏に食欲が落ちるのは、代謝が下がるため自動的に食べる量を減らしている、身体の自然な営みなのです。

 

ゆえに「痩せるために」汗をかこうとしないでください。

実験したことはありませんが、おそらく冷房の効いたスタジオでレッスンする方が消費カロリーは高くなるはずです。

だからと言って必要以上に冷房を入れませんよう。

身体が冬だと勘違いして、体脂肪が厚くなってしまいます(^_^;)

 

スタジオのエアコンの温度設定は先生にお任せしましょう。