私の父は晩年、筋力が衰えて歩行が難しくなり、理学療法士さんに指導に来てもらったことがあります。
最初の療法士さんは(どうやら我が家が初仕事だったらしい)筋トレメニューをいろいろ考えてくれたのですが、効果は上がらず、父も嫌になって交代してもらいました。
次に来てくれた療法士さんはベテランのようでしたが、毎回出してくれる「宿題」は、本当に効果があるのだろうか…?と思うほどの、超簡単なものばかり。
残念なことに父の亡くなるのが先になってしまい、効果を観察することはできませんでしたが、思い起こすと筋トレというより身体のバランス感覚を取り戻すエクササイズやコアマッスルに働きかけるエクササイズだったような気がします。
先日耳にしたのですが、人間が歩けなくなるのは筋力そのものの低下よりバランスの低下が大きいとのことです。歩くのに本当に必要な筋力はそれほど大きくないそうです。
これはひょっとしてダンスにも言えるのではないか…と私は感じました。
舞台上で「魅せる」ための跳躍や回転に必要な筋力は相当なものと思いますが、日々のレッスンには実はそれほど筋力というものは必要ないのかもしれません。
一時期、片足でバランスをとると脚に負担を感じた時期がありました。「トシで筋力が弱ってきたせい」と思っていたのですが、重心に向かう筋肉のベクトルのようなもの?…を変えるよう、アドバイスをいただいたらラクになりました。
体幹の筋肉がしっかり働いていて重心の位置が適切であれば、(極論ですが)バランスを取るのに脚の筋肉は要らないのです。
実際、ちゃんと立てているとき、脚の筋肉を触ってみると柔らかかったりします。乗っかってしまっているときはガチガチに固く、怪我や筋肉痛のもととなる…と言うわけです。
でも、普段のレッスンでは、そういうことまで気が回りません。
予め身体にインプットしておいて、レッスンでは思い切り踊りたいっ🩰
そこで、そういうものをエクササイズによって楽しみながら習得し♬、サステナブルな身体を手に入れようというのが、いわゆるボディーワークなのかもしれません。
ダンスが踊れなくなっても、ダンスをやっていなかった人も、ボディーワークは一生できます。
いつまでも自分の足で立って生活できますよう😉